冷たいものが歯にしみるのは虫歯?知覚過敏?見分け方と受診の目安
アイスや冷たい飲み物で歯がキーンとしみると、「虫歯かもしれない」と心配になりますよね。
冷たいものがしみる原因は、知覚過敏だけではありません。虫歯、歯ぐき下がり、詰め物や被せ物の不具合、食いしばりによる負担などでも似た症状が出ます。冷たい刺激で一瞬しみるだけのこともありますが、熱いものでも痛む、何もしなくてもズキズキする、夜に痛みが強くなる場合は、早めに歯科医院で確認したい状態です。
しみる理由が違えば、必要な対応も変わります。市販のケア用品だけで済むと思い込まず、原因を切り分ける視点を持っておくと、受診の判断がしやすくなります。
冷たいものがしみるときに考えられる原因
知覚過敏
日本歯科医師会では、冷たい飲食物や歯ブラシの刺激で一過性の痛みが出る場合、知覚過敏の可能性があると案内しています。歯ぐきが下がって歯の根が見えやすくなったり、歯の表面がすり減ったりすると、刺激が内部へ伝わりやすくなるためです。
知覚過敏では、冷たいものが触れた瞬間にピリッとしみて、刺激がなくなると落ち着くことがあります。ただ、見た目だけで虫歯と区別するのは難しく、自己判断で決めつけない方が安心です。
虫歯
虫歯・歯の痛み治療 でも、虫歯が象牙質まで進むと冷たい水や風がしみやすくなり、さらに進行すると熱いものでも痛みが出ることがあると案内されています。日本歯科医師会の「しみる」に関する案内でも、エナメル質がすり減ったり内部の象牙質が露出したりすると、刺激が伝わりやすくなると説明されています。
「冷たいものだけだから軽いはず」とは限りません。小さな虫歯でも場所によっては、しみる症状が先に出ることがあります。
歯ぐき下がりや歯周病
歯ぐきが下がると、本来は隠れている歯の根の部分が刺激を受けやすくなります。歯ぐきの炎症や歯周病が背景にあると、しみる感じに加えて出血や腫れが気になることもあります。
厚生労働省の歯周病検診の案内でも、歯肉出血は歯周組織の状態をみる重要な確認項目として扱われています。くらもち歯科医院の予防・メインテナンスでも、定期的なクリーニングやブラッシングの見直しが歯ぐきの健康維持につながると案内されています。
詰め物や被せ物の不具合、食いしばり
日本歯科医師会の「お口の119」では、冷たい水でしみるときに、詰め物が取れているケースや、取れていなくても周囲に虫歯ができているケースがあると紹介しています。
また、噛み合わせ治療では、食いしばりや歯ぎしりで歯に負担がかかると、歯ぐき下がりや知覚過敏につながることがあると案内されています。朝起きたときにあごが疲れる、歯がすり減っていると言われたことがある方は、この方向も見ておきたいところです。
虫歯と知覚過敏はどう見分ける?
見分けるときに参考になるのは、痛みの出方です。
知覚過敏では、冷たいものや歯ブラシの刺激で一瞬しみて、刺激がなくなると落ち着くことがあります。日本歯科医師会も、知覚過敏では外からの刺激で一過性の痛みが出ると説明しています。
一方で虫歯は、冷たいものだけでなく甘いものでもしみたり、進行すると熱いものでも痛みが出たり、何もしなくてもズキズキしたりすることがあります。夜に痛みが強くなる、痛みが長く残る、歯に穴がある、食べ物がよく詰まるといった変化があれば、虫歯を疑いたい場面です。
ただ、ここだけで決めるのは難しいです。知覚過敏と思っていたら詰め物のすき間から虫歯が進んでいた、虫歯だと思ったら噛みしめの負担が強かった、ということもあります。症状の出方は手がかりにはなりますが、診断そのものではありません。
早めに受診したいサイン
次のような症状があるときは、様子見を長引かせない方がよいでしょう。
- ・熱いものでもしみる
- ・何もしなくてもズキズキ痛む
- ・夜になると痛みが強くなる
- ・歯ぐきが腫れる、出血する
- ・噛むと痛い
- ・詰め物や被せ物が外れた、浮いた感じがする
日本歯科医師会の「お口の119」でも、熱いもので痛む場合は歯の神経に炎症が起きていることがあると案内されています。症状が軽そうに見えても、続いているなら一度確認した方が原因を切り分けやすくなります。
家でできることと、控えたいこと
しみる症状がある間は、冷たいものを何度も試して確かめない方が歯への負担を減らせます。歯みがきやうがいをするときは、ぬるま湯の方がしみにくいことがあります。
力を入れてゴシゴシ磨くと、しみる部分を余計に刺激してしまいます。強くこすりすぎず、歯と歯ぐきの境目に毛先を当てる意識でやさしく磨く方が向いています。
炭酸水や酸味の強い飲み物を長時間だらだら飲む習慣がある方は、歯の表面への刺激が重なっていることもあります。飲み方が気になる方は、関連する記事の炭酸水は歯を溶かす?毎日飲んでも大丈夫か歯科医がわかりやすく解説もあわせて確認してみてください。
セルフケアで一時的にやわらぐことはありますが、それで原因がなくなるとは限りません。痛みが続く、繰り返す、しみる場所が増えるときは受診で原因を確かめた方が遠回りになりにくいです。
歯科医院で相談すると何がわかる?
歯科医院では、しみる場所だけでなく、虫歯の有無、詰め物の状態、歯ぐき下がり、歯周病の兆候、噛みしめの影響までまとめて確認できます。
虫歯が疑わしいときは虫歯・歯の痛み治療につながりますし、食いしばりや歯ぎしりの負担が強そうなときは噛み合わせ治療で相談しやすい内容です。再発を減らしたい方には、予防・メインテナンスでブラッシングやクリーニングの見直しもできます。
冷たいものがしみる症状は、軽く見えるわりに原因がいくつもあります。知覚過敏だけと決めつけず、痛みの出方に変化があるときは早めに確認しておくと、その後の治療方法も選びやすくなります。
FAQ
冷たいものがしみるだけなら、すぐ受診しなくても大丈夫ですか?
一瞬しみるだけで落ち着くことはありますが、原因が知覚過敏とは限りません。数日続く、同じ場所で繰り返す、しみる範囲が広がるときは、虫歯や詰め物の不具合が隠れていないか確認した方が安心です。
知覚過敏は自然に治ることがありますか?
刺激を減らすことで落ち着く場合はありますが、歯ぐき下がりや食いしばり、磨き方の癖が残っていると繰り返すことがあります。改善しても再発しやすいと感じる方は、原因を確認しておくとケアの方向が定めやすくなります。
市販の知覚過敏用歯みがき剤だけで様子を見てもよいですか?
症状が軽く一時的なら選択肢の一つですが、熱いものでも痛む、ズキズキする、詰め物が外れた感じがある場合は自己判断だけにしない方が無難です。市販品でやわらいでも、虫歯や噛み合わせの問題までは判断できません。